作成日:2026年4月6日
僕が初めて高山という町を訪れたのは17年ほど前。とても好きになりました。手造り・美味しい・リーズナブル! 食いしん坊の僕には堪りません。でも、年に一度、出張で1泊するのがせいぜい。ところが、昨年末、約1か月の長期出張が決定。ならば! と、
ボクラン高山編 です。
《高山荘近辺》隠れた名店の宝庫だと思います。「観光地化したお店より、地元の人達が通う店のほうがいい!」と思われるかたにはうってつけの界隈です。
《駅東の繁華街》17年前、「なんていい町だ!」と思ったのは、広範囲にわたる繁華街の飲食店が安くて美味い、観光客でも安心なお店ばかりだったから。でも、今回食べ歩いて残念だったのは、もちろんすべてではありませんが、地元の人も通っていたお店が、“訪日客ファースト”の様相を呈し、価格やメニューが変更されてしまったこと。過去の記憶で訪ねると “ボクラン高山編” が “ボクラン遭難編” になりそうでした。それでも健在の名店はあり、ほっとしています。
《その他地区》高山の方々と話していると「車は必需品」と仰います。確かに郊外に大きなディスカウントストアやスーパーが多い。僕も赴任中、レンタカーを1週間だけ借りました。グルメにおいても「高山には車が必需品かも」と感じました。

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《高山荘近辺》当館からの距離順
高山荘から歩いて2分。スープも冷えない距離にあります。古民家を改装した瀟洒な佇まい。味もよければ、仲睦まじくお店を営まれるご夫婦の接客も心地よい。何といっても、厨房を隅々まできれいにするご主人の姿勢が素晴らしい。僕は「高山のイル・ギオットーネ」と勝手に名付け、この地のイタリアンでは一番のお気に入りです。
ランチならば、おすすめは「Fudoお膳ランチ」。イタリアンと和食が融合したかのようなお得なワンプレートです。1日10食限定なので、決まったら、予約しておくことをお勧めします。
ディナーでは、手っ取り早くコースもいいでしょうが、僕はいつも、まずは「シェフおすすめの前菜」をたっぷりいただきます。前菜をワインとともに楽しみながら、黒板に書いてある今日のメニューを眺め、「どれにしようか」と思いを巡らす。幸せな時間です。魚ばかりを食べることもできるし、「鹿!」と、肉だけ食べてもいい。パスタだけでもいい。1月に好物のホワイトアスパラがあったので、「どこの新物ですか?」と訊いたら、「フランスからの空輸です」と言われました。素材も脱帽の名店です。
https://www.fudo-restaurant.com/
「早朝から営業している地元のお店はないものか」と思ったら、徒歩4分の所にありました。7時から11時まで “モーニング” をお願いできます。このお店の “モーニング” とは、ドリンクを注文すると(ホットコーヒー450円)、山高の厚切りトーストを無料でいただける、というものです。そして、このトーストが実に美味しい。自家製でもないようだから訊いてみると、『なるせ』から配達される山高の由。皆さんには『トラン・ブルー』とお伝えしたほうがいいかもしれません。いつでも行列のパン屋さんの山高が、朝からトーストでいただける、僕のお気に入りのお店です。
そして、このお店の魅力は “モーニング” に止まりません。11時からは食事処にもなります。平日のランチタイムには地元客が次々と訪れ、「日替わり!」「並み・並み、ね」と注文します。「並み・並み」とは、中華そば(並盛)+ご飯(並盛)のことです。お昼に伺うなら、僕のおすすめは、何といっても中華そば。40年余の間、変わらないというやさしい高山の醤油味が地元価格でいただけます。野球好きだった店主(店の中は著名選手のサインボール・色紙・写真で一杯です)の味を、今は奥様と娘さん(と、勝手に推察しています)が受け継いでいらっしゃる、西之一色の名店です。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21007193/
「美味しいパンをちょっと買って、部屋でゆっくり朝食を」と思ったら、朝7時半から営業しているこのお店がオススメです。バケット、食パン、サンドイッチ、惣菜パン、甘味系、どれを食べても美味しい物ばかり。自家製カレーパン、メロンパンもなかなかですが、僕がいつもいただくのは “ミルクフランス” 。小さなフランスパンにミルククリームを挟んでいる、いたってシンプルなパンですが、甘さ控えめにして、ミルクのやわらかな風味とフランスパンの調和が僕好み。加えて、美味しく・人気はあっても地元密着型なのか、行列に並ぶ必要はありません。よろしければ、是非。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21009276/
ハンバーグの好みは十人十色。この店のハンバーグは “柔らか系” です。「煮込みトロたまハンバーグ」は、その名の通り、煮込んだハンバーグにトロっとした玉子がのっています。自宅ならご飯3杯はいけそうな気がします。このお店の名前を冠した、シンプルな「Hiroハンバーグ」もおすすめで、ソースはデミorトマトの2種類から選べます。このソースもまた好みが分かれるところ。ご家族ならば、両方注文して、試すのもよろしいかと。僕は一人なので、トマトオンリーですが。(京都の行列ハンバーグのようなケチャップではありません。他にはなかなか味わえないトマトソースで、僕は好きです)
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21001843/
高山は山に囲まれた町ながら、いい魚が食べられる町です。江戸幕府がこの町を天領にしたのは、徳川家が日本海の海産物を尾張に運ぶ中継点にしようとしたからでは?と思ってしまうほど、いい魚に巡り合えます。そして、このお店で出される魚料理も素晴らしい。ランチタイムも「定食」と書いてありますが、日本酒が欲しくなる「手抜きなし・手作り」のホンモノ、です。ゆえに、夕食時のメニューはいわずもがな。知らない遠くの町に来たら、こういうお店のカウンターで、静かに杯を重ねたい。そんなことを思わせてくれる名店だと僕は思います。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21018417/
おもしろい居酒屋を発見しました。厨房があるのに、料理をしていません。理由は、道を挟んだ料亭から注文した品が運ばれてくるから、です。その料亭の名は「三心庵 豊昇」。地元では名の知れた日本料理の名店です。だからでしょうか、いつも地元客でにぎわっています。値段が居酒屋価格なのに、料理は懐石然としているからでしょう。僕のおすすめは、何といってもお造りの盛り合わせ。これを注文して出てきた時にはびっくりしました。「料亭のアウトレット」ではなく、場所は居酒屋・中身は日本料理店。そんな風に思わせてくれる、いいお店です。とてもお得感のある「ミニコース」もあります。
https://www.hosho-takayama.com/tenshou/
散歩をしていたら、焼肉のいい匂いがしてきました。僕は「焼肉とラーメンは、お店のキレイさと美味しさが比例関係にない」と思っています。それを証明するようなお店です。高齢の女性が一人で切り盛りされています。その姿を見れば、営業時間の短さ、終了時刻の早さも頷けます。肉を焼くロースターの網も「今さら取れないのだろう」と思われるほど、こびりつきがあります。地元客ばかりと言っていい店なので、地元客とは気さくに会話されていますが、僕のようなよそ者には不愛想です。でもお肉は美味しい。店の看板・メニュー、どこにも書いてありませんが、ホルモンに至るまで、すべて飛騨牛です。そして、安い。気さくに会話していただけるようになるまで通ってみたいお店、と僕は思っています。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21005689/
《駅東の繁華街》
有名店なので、紹介する必要はないようにも思いましたが、念のため。秋田ご出身の女将さんが長年やっていらっしゃる居心地のいい居酒屋です。どの料理も美味しいですが、僕の一番のおすすめは「蜂の子」。クロスズメバチの幼虫を甘露煮にしたもので、昭和天皇も好まれたそうです。女将さんが巣の中の幼虫を一匹一匹取り出して作った逸品です。その他、魅力的品々が並ぶメニューが置いてありますが、僕はカウンター正面の黒板に書かれた数品の「今日のおすすめ」から選んでいます。ハタハタのなれずし、最高でした。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21006202/
無口な渋いご主人が一人で切り盛りされています。17年前の雪降る夜10時過ぎ、高山駅に到着し、街を歩いて、ふらりと入ったお店です。BGMは昭和のフォークソング。広辞苑がカウンター正面に鎮座し、店内には京都関連のPRポスター。時折見せるご主人の仕草がイカしていて、どこかしら「知性」を感じさせるものがありました。数年後、日経新聞で取り上げられ、その記事を読んで、なるほど、と思いました。予約しようと電話をすると、留守電の時があります。亡くなった奥様の声だから、消さないでいるそうです。夜10時にはもう閉店しているお店になりました。でも、いつまでも続けてほしい。続いていれば、いつでも訪ねていきたい。そんな僕のなかの名店です。同志社大学に縁のあるかたは、是非。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21000741/
高山の街を歩くと、どこもかしこも飛騨牛・飛騨牛・飛騨牛。そんななかにあって、豚肉料理を謳うお店がありました。ニッチを狙っているのか…と推察した自分を反省したくなる立派な料理をリーズナブルな価格で提供されているお店です。「飛騨豚のスパイシースペアリブ」がスペシャリテ。食べていただきたい逸品です。でも、「飛騨豚の赤ワイン煮込み」も捨てがたいひと品です。そして、豚肉料理を謳うお店ではあるものの、「馬肉のタルタル」は僕の一番のオススメ。さらに、トリッパ好きの僕が、これまで食べたなかで五指に入れたい「トリッパのトマト煮込みグラタン」も是非。「ムール貝の白ワイン蒸し」を注文すると残ったスープでピラフを作るという独創性にも脱帽。ただ、オープンキッチンなのに、ご主人は料理に気持ちが入ってしまうと、相棒の奥様に厳しい注意・要求(ときにイヤミ、はたまた「言いがかりでは?」と思うことも)をします。始めは驚きですが、奥様は無視したり、イヤミ返しをご主人に聞こえぬようつぶやいたり。ですが、料理提供が終わると仲睦まじいご夫婦なので、二度目の訪問からは、お二人のやり取りを見るのも楽しみの一つになります。そんなことも頭に入れて、美味しい料理を堪能されてください。因みに、メニューにあるパスタはご主人ではなく辻調出身の奥様が作られます。「パスタは家内のほうが上手なんで…」、ちょっと照れくさそうに言うご主人。ご馳走様です!
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21016565/
この店に合う人・合わぬ人、分かれると思いますが、僕は好きなお店です。
理由は、生マッコリ・生センマイ・ハツのユッケがあること、各種ホルモンが美味しいことのほか、最適な焼き方・食べるタイミングを教えてくれることです。焼き方・食べるタイミングでお肉の美味しさはこんなに変わる、ということを教わりました。
そして、もう一つ。福岡の炭鉱町 筑豊出身の僕には、筑豊でいう「鉄板焼」に通じる内容の「陶板焼き」があることが、堪らない魅力です。
生マッコリを飲みながら(なくなったらチャミスルに移行)、生センマイ・ハツユッケ、ミノ・テッチャン、陶板焼き(ホルモン追加)に〆のうどん、が僕の「当り矢ゴールデンルート」です。
https://atariya-hidatakayama.net/
このお店、並みのジビエではありません。飛騨ジビエを標榜する、飛騨の猟師が仕留めた鹿・猪・熊を始めとする飛騨の“山の幸”を提供する猟師一家直営のジビエ店です。京都のジビエは、料理人の手による上品でシャレた料理が多いのですが、こちらは上品さ・オシャレ感ともにゼロ!野趣に富む、という平易な単語でも表現できません。「猟に帯同し、仕留めた獲物を猟師と一緒に小屋で食べている」ような感覚にさえ陥るお店です。そして、座ったカウンターから見えるテレビ画面には狩猟の様子が映し出されています。ジビエ好きの僕も、少々「引いてしまう」お店ですが、日本国中探しても猟師一家直営ジビエはまずないと思うので、紹介しておきます。このお店の料理には、高山の古酒「ひだ正宗」がよく合います。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21021761/
《その他地区》
美味しい料理とお酒が楽しめます。以前は、アラカルトもあったのですが、今はコース料理のみです。が、値段は据え置きに近く、訪日客が増えても、“日本人ファースト”の安心なお店です。器が凝っていて、料理・お酒を引き立てます。寒い季節にしかありませんが、「かぶら鮓」は、これを食べるためだけでも訪れたい秀逸のひと品です。ご夫婦営業だったのが、料理スタッフとして娘婿が加わり、ご主人・女将さんもうれしそうで、そんな家族経営を拝見しながらの食事は、料理もお酒もより美味しく、自分の運気まで上げてくれるような感覚になります。全国どこでも通用する名割烹だと僕は思います。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21008718/
1か月もいると、中華そばだけでなく、中国料理も食べたくなります。こちらのお店は前掲のイタリアン「風土」の奥様に教えてもらいました。高山の老舗です。名物は「石焼麻婆豆腐」。石焼ビビンバのご飯の如く、豆腐をジュッ、と焼いて、この料理は始まります。ランチで訪れる際は、麻婆豆腐がお目当てならば、是非、単品注文を。ランチの麻婆豆腐だと、豆腐をジュッ、がありません。そして、このお店のもう一つの魅力は、ご主人のお母さん。元気に給仕をこなし、料理やメニューをにこやかに説明しながら、電話応対もされています。お歳を伺ってびっくり。「歳には勝てないなぁ」なんて言い訳している自分が恥ずかしくなります。「いつまでもお元気で」と、気分よく店を後にできる “高山中華” の名店です。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21007689/
《美味しい珈琲店》
冬の寒さが厳しい所だからでしょうか。高山には美味しい珈琲店が多いように思います。誰もが知っている老舗喫茶店は割愛し、僕が発見した「こだわり」感の強い珈琲店3つをご紹介します。因みに、僕は当日炒りたてのコーヒー豆100gを購入し、ネルドリップで毎日、1週間ほど掛けて微妙に変わっていく(ような気がする)味わいを楽しんでいます。
それでは、個性の強さ順に。
なぜ、こんな名前なのか。マスターを見て、勝手に納得できるお店です。ユニークな名前に負けない、個性あふれる自家焙煎珈琲を楽しめます。コメントは短いですが、ホントに美味しいです。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21022685/
愛嬌の良い女性が一人で営業されているので、「大変ですね。焙煎もされるんですか」と訊ねたら、「いいえ、焙煎はそこにいる主人です」と返ってきました。お客の席に座り、コーヒーを飲みながら、常連客と思しきかたとコーヒーについて語っていました。若いご夫婦でしたが「昭和」を感じました。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210401/21022684/
天皇陛下が飛騨にお越しの際、立ち寄られた下呂の老舗喫茶店「緑の館」。その店主の息子さんが修行を経て開業した珈琲店です。陛下が飲まれた「ロイヤルブレンド」はミーハーな僕には外せません。「やさしくスムーズな味わいが陛下のお好みか」、そんなことを思いながら朝のコーヒーを楽しんでいる僕です。
https://www.yakatacoffee.com/
飛騨高山 – 岐阜県